【2015.9】秋色!葡萄のムースと、菊を楽しむ「重陽の節句」
秋の実り・葡萄のお菓子と、
葡萄の色に合わせた秋色のお花のアレンジ。
とはいえ、まだ暑い日もありますので、デザートはひんやりつめたいムースにしました。
また、9月9日は 「重陽(ちょうよう)の節句」 。
菊の花を楽しむこのお節句にちなんだ 「菊酒」 をアレンジ。
季節の楽しみをぜひ、取り入れてみましょう。
おやつはつめたい葡萄のムース。
上は葡萄ゼリー、下はクリームチーズのムースの2層仕立てです。
お酒にも合うように甘さ、酸味を控えめにしていますのでお好みで調節してください。
<葡萄ゼリー&レアチーズムース (80㏄程度の容量のカップ6個分)>
~材料(クリームチーズムース)~
クリームチーズ 100g
生クリーム 100g
グラニュー糖 30g
レモン汁 小さじ1
ゼラチン 2g
水 小さじ2
~材料(葡萄ゼリー)~
ぶどうジュース 100㏄
レモン汁 1 0㏄
砂糖 小さじ2
ゼラチン 2g
水 小さじ2
葡萄 数個
ミント 適量
~準備~
クリームチーズ、ぶどうジュースは室温に戻しておく。
ゼラチンはそれぞれ水でふやかしておく。
~作り方~
1.レアチーズムースを作る。クリームチーズを練ってクリーム状にし、グラニュー糖を入れて泡だて器で混ぜる。レモン汁、生クリームもそれぞれ入れて、その都度混ぜる。
2.ふやかしたゼラチンを電子レンジ500w10秒かけて溶かし、1に加えて混ぜる。
3.容器に均等に入れ、冷蔵庫で冷やしておく。
4.葡萄ゼリーを作る。ぶどうジュース、レモン汁、砂糖を入れ、砂糖が溶けるまで混ぜる。
5.ふやかしたゼラチンを電子レンジ500w10秒かけて溶かし、4に加えて混ぜる。(ジュースが冷たいとゼラチンが混ざりにくいです。)
6.冷蔵庫で冷やしていたムースの表面が固まってきたら、スプーンなどを使ってゼリーを上から静かに流す。(ムースは固めなので、比較的すぐ流せると思います。)
7.完全にゼリーが固まったら、仕上げに8つ切りにした葡萄とミントを飾る。
容器は、ぽってりしたガラスのお猪口を使用することで、和風の雰囲気にもなじみますね。
横から見てもきれいなので、透明の容器に作ると色が引き立ちます。
重陽の節句では、お酒に菊の花びらを浮かべた「菊酒」をいただきます。
今回は、お菓子に合わせ、日本酒ではなく赤のスパークリングワインに菊を浮かべました。
きざんだ葡萄にスパークリングワインを注ぎ、食用菊の花びらを浮かべます。
ほんのり葡萄の味と、菊の花の香りが楽しめますよ。
※菊は観賞用のものではなく食用菊、または農薬が使われていない自家製のものを使いましょう。
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お花ももちろん、菊が主役。
今回、ちょっと秋の風情を出したくてカゴにお花を活けることにしました。
小さな小物入れの籠。
籠を買うときは、ちょうど入るグラスや器をセットにしておくと重宝します。
この籠には、このグラス。籠の高さよりすこし低い器が良いです。
ガラスでなくてもかまいませんが、籠目から見えたときにきれいなので、私はガラスの器を使っています。
今回用意したお花たち。
ダリア と スプレーマム です。葡萄の色を頭に思い浮かべながら選びました。
(「マム」 は菊のことです。「スプレー」は 1本が枝分かれしている「枝咲き」という意味。)
濃い紫は大輪のスプレーマム。1本でお花がいくつもついているのでお買得。
右側は小さめのポンポンダリア。
輪が小さいスプレーマムも少々。
こちらもポンポン咲きで、イメージをそろえました。
飾り用の葡萄には竹串をさしておきます。
お花は茎をだいたい同じ長さで切りそろえておくと、きれいな丸いアレンジが作りやすいです。
だいたいガラス器の高さと同じくらいに。
籠にセットしたガラス器に、ドウダンツツジの枝を短く入れます。
大きい輪から入れて埋めていきます。
小さい輪も。
最後に葡萄をちょこっとさします。
あまった花材はまわりに散らしても。
白いお皿に鮮やかな色が映えますね。
食用菊もあまったのでのせてみました。
一気にぱあっと明るくなります。菊の表情もそれぞれですね。
最後に、重陽の節句と菊のお話をご紹介します。
9月の食卓やおもてなしに、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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【重陽(ちょうよう)の節句】
旧暦9月9日は重陽の節句。
節句は古来、中国から伝わった風習です。
9は陽数(奇数)の最も大きな数。それが重なるおめでたい日として
菊を愛で、菊酒を楽しむ日として知られています。
この節句、旧暦なので本当は約1ヶ月早いことになります。
(本来の重陽の節句は、今のカレンダーでは10月上旬ということですね)
確かに、庭の菊の花が盛りになるのは9月では少し早いですが
切花として栽培されお花屋さんに並ぶ菊たちは、まさに9月からが旬。
お彼岸にむけて、色も形も様々な菊が揃う時期。
おかげで、現在のカレンダーの9月9日でも充分菊の花を楽しむことができます。
節句の日には菊を飾り、盃に菊の花をうかべたお酒を飲みます。
また、「菊の被せ綿(きせわた)」といって
節句の前日に菊の花を真綿で覆い、翌朝ほんのりと菊の香りがうつった綿で顔や体をぬぐうと
いつまでも若々しくいられるとの言い伝えもあります。
(菊を育てている方は、これもチャレンジしてみてはいかがでしょうか^^)
【菊のお話】
菊は大和時代に中国からもたらされたもので、日本原産の植物ではありません。
それでも、日本の花といえば菊。天皇家の紋章も菊ですね。
なぜ菊は日本人にこんなに愛でられたのでしょうか。
菊が散る季節、それは本格的な冬の始まり。
菊の花の終わりは、長い冬の訪れのしるしです。
もう春まで花は見られない・・
平安時代には、重陽の節句から1か月後(旧暦10月5日)には
最後の菊を愛でる「残菊の宴(ざんぎくのえん)」が行われていたそうです。
菊は、厳しい冬の前に最後に愛でられる「花」として愛されたのですね。